偉人・歴史上の人物

大久保利通(佐々木克 監修・講談社)レビュー

投稿日:2017年9月15日 更新日:

大久保利通 (講談社学術文庫)

 

報知新聞の記者・松原致遠が、大久保利通ゆかりの人物・23名にインタビューし、それらを1冊にまとめたのが、『大久保利通(佐々木克 監修・講談社)』です。

 

初版は、明治45年(1912年)。

平成16年(2004年)、歴史学者の佐々木克氏が監修・再出版しました。

 

インタビューを受けたのは、

  • 前島密
  • 大隈重信

など、高名な偉人や部下達。

 

そのほか、

  • 次男・牧野伸顕
  • 3男・利武
  • 妹の石原きち・山田すま・石原みね

などの親類も証言します。

 

語り手は全員、大久保と面識のあった方ばかり。

それゆえ、エピソードにリアリティがあります。

大久保の人物像を知るのに、最適な1冊です。

 

大久保利通は、部下に対して礼儀正しく清廉潔白

その中でも、高橋新吉の証言する、部下に対する大久保の態度が興味深いです。

 

  • 「大変親切」
  • 「呼び捨てや君付けをせず、さん付けで名前を呼んだ」
  • 「帰る時は玄関まで送って出て、しっかりとお辞儀をした」
  • 「こちらがお辞儀をすれば、畳から2、3寸の所までうつむいて、お辞儀をした」

 

また、千坂高雅や河瀬秀治など、実に多くの話者が

  • 「公平無私」
  • 「清廉潔白」

と、証言しています。

 

実際、死後の財産は現金140円しかなく、借金が8,000円もありました。

借金のほとんどは、国の事業のために、私的に借りたものでした。

 

大久保は部下を想い、国を想った政治家でした。

 

少年時代の大久保利通

また、子供達や妹らの証言も面白いです。

大久保は少年時代、大変なイタズラ好きでした。

 

家に泊まりに来た客に、豚汁を11杯も食べさせています。

また、桜島の火口に石を投げるなど、神罰も恐れぬ子でした。

 

意外にも、大久保利通は信心深かった

しかし、嘉永3年(1850年)、父・利世が流島処分を受けます。

父が帰るまでの6年間、大久保は神社に毎朝参拝し、無事を祈りました。

 

また、文久2年(1862年)には、島津久光の江戸出府に同行し、幕政改革に成功します。

鹿児島に戻った大久保は、島津家の菩提寺である福昌寺など、複数の寺社にお礼詣りをしました。

 

多くの語り手が、

  • 「無口」
  • 「寡黙」
  • 「偉大」

と評した大久保。

その大久保が、信心深いのは意外でした。

 

まとめ

そのほか、

  • 西郷と非常に仲がよかったこと
  • 家族想いだったこと
  • 暗殺前の出来事

など、逸話に事欠きません。

 

その中でも一番印象に残ったのは、やはり大久保の礼儀正しさです。

薩摩や日本の政治を動かす立場に出世しても、謙虚さを決して失いませんでした。

 

無論、大久保の政治に問題点はありました。

旧幕府や反乱を起こした側から見れば、また違った人物に見えるでしょう。

 

それらを差し引いても、教養本として手元に置きたい1冊です。

 

 


 

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